鑑真和上坐像(がんじんわじょうざぞう) / 律宗総本山唐招提寺蔵
鑑真和上坐像 / 律宗総本山唐招提寺蔵  
 鑑真は唐の揚州江陽県の出生。14歳で智満につき出家し、道岸、弘景について、律宗・天台宗を学ぶ。律宗とは仏教徒、とりわけ僧尼が遵守すべき戒律を伝え研究する宗派であるが、鑑真は四分律に基づく南山律宗の継承者であり、4万人以上の人々に授戒を行ったとされる。揚州大明寺の住職であった742年、日本から唐に渡った僧栄叡、普照らから戒律を日本へ伝えるよう懇請された。この坐像は日本最古にして最高の肖像彫刻。和上の精神までも忠実に再現したかの様な、見事な写実表現である。像の概略は麻布を漆で貼り併せ整形され、鮮やかな彩色がのこる。弟子の忍基が制作を指導したとされる。国宝、奈良時代、脱活乾漆、彩色。